それでは本日最後のお便りをご紹介したいと思います。
ラジオネーム『へっぽこポコリン』さんからのお便りです。
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Machikoさん、こんばんは。
僕が昔付き合っていた彼女のことをお話します。
ひらがなで『さくら』という名前の女の子です。
最近、近所を散歩していた時に、ふと見上げたら「あーそろそろ桜が咲く季節なんだなぁ」と思って、大学生の頃に、さくらと初めて会った頃のことを思い出しました。
もう20年以上も前の昔の話です。
彼女と最初にデートをした日のことは、今でも鮮明に覚えています。
まさに桜の咲く季節のこと。
その日はとても快晴で、ピンク色の綺麗な桜が見事に咲いていたのを覚えています。
どういったいきさつだったかははっきり覚えていないけれども、さくらが僕に向かって
「ねぇ、一緒に花見行こうよ」と誘ってきたのです。
さくらと僕は同じクラスでした。
時々話したりすることはあったけれども、2人でどこかに行ったことはありませんでした。
そんな時にいきなり彼女の方から誘われたのです。
あまりにも突然だったので正直驚きました。
というか、プチパニック状態。
おどおどしてしまったけれど、さくらが、
「じゃ、明日の10時に駅でね」と。
花見の場所は、練馬区の石神井公園(しゃくじいこうえん)です。
僕は初めての場所でした。
西武線の石神井公園駅から徒歩で15分くらいの場所だったかなと思います。
石神井公園には石神井池というのがあって、池の周りに桜が咲いていました。
そよ風が吹くと、ひらひらと桜の花びらが舞ってきて癒されました。
さくらは、それを見て、
「うわぁー、きれい」
と幸せそうな笑顔をしました。
さくらの笑顔は最高なんです。
どれくらい最高かと言うと、彼女が笑うと一瞬で周りが幸せな空気に包まれるのです。
彼女がニコッと微笑むと、幸せの波動がふわっと周りを包むような、そんな感じだったんです。
水面に一滴の雫が落ちると、波紋が広がるような感覚。まさに幸せな波動が広がっていく。そんな感じでした。
当時僕は勝手にさくらのことをそう感じていたのですが、実は大学卒業後に友人達と飲みに行った時に、
「そう言えばさぁ、さくらって笑顔がとってもよかったよね」という話になったんです。
そしたら、他の仲間たちも、
「そうそう、確かにそうだった」
「だよねー」
「やっぱり?」
と、全員が同じ意見だったのです。
そうなんだ。
これは僕だけが思っていたことじゃなくて、みんなそう思っていたんだと、初めて知りました。
そんな素敵な彼女との花見のデート。
「すごく素敵な桜の木が石神井公園の裏のほうにあるんだ。そこに行こ」
そう言ってさくらは、公園の裏側の少し暗い小道に僕を連れて行きました。
大きな木がたくさんあって、日が当たらない小道を歩いていると、さくらが
「ここ」
と、フェンスで囲まれた広めの空き地に入っていきました。
「ほら、見て」
と、さくらが上を見上げて指差しました。
見上げると、そこには立派な桜の木が聳え立っていたのです。
驚くほどの大木で、鮮やかなピンクの桜が満開。
思わず、
「おおー、すごい」
と、声に出してしまいました。
すると、そよ風が吹いて桜の花びらが舞ってきて、さくらが嬉しそうに両手を広げて花びらをつかみ取ろうとしていました。
その姿を見て、完全に僕はさくらの虜になってしまったのです。
だけど、その時は勇気が出なくて、自分の気持ちを伝えることができませんでした。
そのことは今でも少し後悔しています。
あれから20年経った今でも、当時の記憶は鮮明に僕の心の中に刻まれています。
本当に幸せな気持ちでした。
毎年桜の季節がやってくると、さくらと一緒にデートをしたときのことを思い出します。
本当に幸せなひとときでした。
今でも桜のシーズンになると、さくらと一緒に花見に行っています。
あっ、さくらは、実は今の僕の奥さんです。とても幸せに暮らしています。
***
そうだったんですね。
昔の彼女の話かと思っていたら、実は今の奥さんだったんですね。
本当に幸せそう。
今年も桜の季節がやってきましたね。ぜひまた幸せな時間を過ごしてくださいね。
ラジオネーム『へっぽこポコリン』さんに、この曲をお届けします。
sayの
「桜 feat.TWO-J」
です。
それではまた来週。
みなさんも、お花見を楽しんでくださいね!
著:Coz Kumagai